独照明機器大手オスラム(Osram)の取締役会と監査役会は4日、米投資会社ベイン・キャピタルとカーライル・グループから成るコンソーシアムの買収提案を支持すると発表した。株主に買収案の受け入れを推奨しており、ドイツ最大の労働組合である金属産業労組IGメタルも取引に反対しない方針を示している。
コンソーシアムは、オスラム株1株につき35ユーロを支払う。これは、オスラムが2社からの買収提案を受けたと明らかにした3日の終値に21%のプレミアムを上乗せした水準で、企業価値を40億ユーロと見積もった格好。取引成立には、9月初めまでに株主の7割が応じる必要がある。
オスラムは2月、ベインとカーライルが共同で、同社の最大100%株式の取得を検討していると明かしていた。しかし、照明業界の伸び悩みに加え、自動車業界の不振に連動したヘッドライトの需要の落ち込みを背景に、昨年には業績見通しを2度下方修正。今年3月には通期の売上高が11~14%減少すると公表していた。ブルームバーグは買収協議が長引いた理由として、コンソーシアムが慎重になった金融機関から買収資金の調達に苦戦を強いられたほか、米中貿易摩擦の影響が懸念材料になったと指摘している。
オスラムはかねて、光半導体や自動車部門、デジタル・アプリケーションに注力する事業計画に取り組んでおり、コンソーシアムもこれを支持。インゴ・バンク最高財務責任者(CFO)は「ベインとカーライルは業界で豊富な実績と深い知見を有する」とした上で、同社のポートフォリオ構築を支えるだろうと期待感を表した。[M&A]
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