洋上風力発電産業評議会(OWIC)は24日、総額1億ポンドを投じて、洋上風力発電の国内サプライチェーンの育成に向けたプログラムを実施すると発表した。部品やケーブルの製造、風力発電ファームの保守サービスなどを手掛ける国内企業650社超を対象に、向こう10年にわたり各種支援を提供する。洋上風力発電設備の国内調達率を60%に引き上げる狙い。
このプログラムの名称は「洋上風力発電産業成長パートナーシップ」。1億ポンドの資金は業界が拠出する。OWICは風力発電業界と政府が共同で設立した機関で、政府との「セクター・ディール」の一環としてこのプログラムを打ち出した。セクター・ディールでは、2030年までに国内の風力発電施設の設置容量を現在の800万キロワットから3,000万キロワットに拡大し、国内電力需要の3分の1を洋上風力で賄うとともに、洋上風力発電施設の国内調達率を現在の48%から60%に引き上げることを目標に掲げる。
同プログラムではこれに向け、洋上風力発電の国内サプライヤーの支援と、世界各地への輸出促進、異業種からの参入促進、次世代の製品や革新的な製品・サービスの開発支援などを行う。支援の内容は、製造や販売に関する助言から、開発資金の援助まで多岐にわたる見通し。支援を希望する企業は、6月25~26日にロンドンで開かれる世界洋上風力発電会議で登録できる。
セクター・ディール制度は、メイ首相が新産業戦略の目玉として2017年1月に導入したもの。各業界が技術革新の加速や生産性の向上、輸出拡大といった独自の課題を示し、政府に求める支援策を提案することにより、資金のばらまきを避け、各産業のニーズに応じた規制緩和や輸出支援、新制度・機関の設立に取り組む。政府はこれまでに、自動車や建設、人工知能(AI)、生命科学、原子力、建設、宇宙などの各産業とセクター・ディールを結んでいる。[環境ニュース]
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