独自動車大手ダイムラーは23日、2019年3月通期のEBIT(利払い・税引き前利益)が前年並みになるとの見方を示した。やや増加するとの前回予想から下方修正。業績見通しの引き下げは、過去1年で3度目となる。
ダイムラーはその理由として、ディーゼル車の排出規制に関連したコストが数億ユーロに膨らむ可能性がある点を挙げている。また、商用車部門メルセデス・ベンツ・バンズについては、利益率がマイナス2~4%に転じると予想。同部門は第1四半期(1~3月)に9,800万ユーロの赤字を計上している。
ダイムラーは7月24日に第2四半期の業績を明らかにする予定。オラ・ケレニウス最高経営責任者(CEO)就任後初の決算発表で、新CEOの手腕に注目が集まっている。
■ドイツ国内で6万台リコールへ
ロイター通信によると、ダイムラーはドイツ国内で6万台のメルセデス・ベンツ車のリコール(無料の回収・修理)を迫られるもようだ。ドイツ連邦運輸・デジタルインフラ省は、2012~2015年に生産されたディーゼルエンジンのスポーツタイプ多目的車(SUV)「GLK220CDI」に不正な排ガスソフトウエアが搭載されていたと指摘。ダイムラーは、これを不服としている。
同モデルは、欧州連合(EU)の旧排ガス基準「ユーロ5」に準拠している。ただ、ドイツ連邦陸運局(KBA)が4月に行った調査では、問題のソフトを起動しない場合に、1キロメートル走行時の窒素酸化物(NOx)排出量が基準値の180ミリグラムを超えたという。当局は、他の車種にも調査の範囲を拡大する方針だ。[EU規制][環境ニュース]
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