英送電大手ナショナル・グリッドは21日、英国の総発電量に占めるクリーンエネルギーの比率が、2019年に初めて化石燃料を上回るとの見通しを示した。
同社によると今年1~5月には、風力と太陽光、原子力、水力、エネルギー貯蔵を含めたゼロ排出のクリーンエネルギーの総発電量に占める比率が47.9%となり、石炭およびガス火力の46.6%を上回った。10年前の2009年には通年でそれぞれ22.8%、75.6%と、化石燃料が大半を占めていた。
クリーンエネルギーのシェア拡大の背景には、風力発電施設の設置が相次いでいることがある。今年1~5月には風力発電量が全体に占める比率が18.8%となり、10年前の1.3%から飛躍的に上昇。一方、石炭火力の比率は30.4%から2.5%へと激減した。
英国では今年5月17日から過去最長の連続2週間にわたり、石炭火力を一切使用しない、いわゆる「コールフリー(coal-free)」が達成されていた。
また、英政府は先に世界の主要先進国に先駆け、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする目標を打ち出したばかり。この目標の達成には、国内の石炭火力発電所を2025年までに閉鎖する計画の実現が不可欠となっている。[環境ニュース]
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