ロンドン・ヒースロー空港の運営会社は18日、第3滑走路の新設計画でマスタープラン(基本計画)を公表した。新滑走路は2026年をめどに運用を開始し、空港全体の拡張計画は2050年までの完成を目指す。同運営会社はこの計画に基づいて、9月13日まで12週間にわたる一般からの意見公募を開始した。
同計画では新滑走路のほか、ターミナルビルや周辺道路など空港インフラのレイアウトを提示。河川や既存の道路を移動させ、高速道路M25号線を滑走路の地下に移設する。環境への影響については、空港周辺に新たに低排出ゾーンを設けて二酸化炭素(CO2)などの排出量が多い車両に通行料を課す。また騒音対策のため、夜間の6時間半は離着陸禁止とする。さらに、立ち退きを迫られる家屋については賠償金の詳細も示し、強制収用地帯と一部の周辺地域の家屋については、市場価格に25%を上乗せする案を明らかにした。
マスタープランは、昨年と今年1~3月に実施した一般への意見公募の内容を盛り込んだものだという。ただし拡張計画の詳細については策定中で、国内の他の空港との調整を経て2022年までに明らかにする。今回の意見公募では43回の説明会を開催し、ウェブサイトでも詳細な情報を提供してオンラインでも意見を募る。
この計画は昨年6月に英下院が承認。これを受けてカーン・ロンドン市長のほか、空港周辺の五つの自治体と住民、環境保護団体が英運輸省を相手取り提訴していたが、5月初めに英高等法院は訴えを棄却し、同計画を合法とする裁定を下している。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。