欧州連合(EU)は13日開いた財務相理事会で、ユーロ圏共通予算の大まかな骨子について合意した。マクロン仏大統領が強く求めていた共通予算がようやく実現する格好だが、一部加盟国の反対もあり、財源や予算の規模については合意がまとまらず、今後も協議が続けられることになった。
この日の財務相理事会は14日未明まで続き、ユーロ圏共通予算の大まかな使途を各国の構造改革やユーロ圏諸国の集約に向けた公共投資とすることで合意がまとまった。マクロン大統領は、共通予算によって債務危機に陥った国の経済立て直しに向けた投資を行うことを目指していたが、こうした使途は含まれていない。また、予算規模については年後半に、2021~2027年を対象とする次期EU予算の編成に向けた加盟各国間の交渉で決める。財源についても、EU予算内のみで賄うのかユーロ圏諸国に拠出を求めるのかで合意に至らなかった。
ユーロ圏共通予算の構想は、債務危機を受けて浮上したもの。昨年11月にドイツのショルツ財務相とフランスのルメール経済財務相が枠組み案を公表し、12月にはユーロ圏19カ国が共通予算の創設で正式に合意していた。ただ、オランダやアイルランドなど一部の国はかねて共通予算の必要性に懐疑的な姿勢を示しており、今後の予算規模の交渉が難航する可能性もある。ブルームバーグによると、EU関係者の間には、2021~2027年のユーロ圏共通予算の規模が最終的に当初の提案を大きく下回る200億ユーロ程度に落ち着くとの見方もある。[EU規制]
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