金融情報サービス会社IHSマークイットは2日、4月のユーロ圏製造業PMI(購買担当者景気指数、確定値)が47.9ポイントになったと発表した。速報値から0.1ポイント上方修正され、2013年4月以降で最低を記録した前月からは0.4ポイント上昇。ただ、景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントを引き続き下回った。
調査対象の8カ国のうち、オーストリアは49.2ポイントと過去49カ月で最低を記録し、分岐点を下回った。オランダは52ポイント、アイルランドは52.5ポイントと、それぞれ過去34カ月、過去30カ月で最も減速している。一方、スペインは51.8ポイントに上昇。ギリシャも56.6ポイントに上がり、過去19年近くで最も高い。イタリアは49.1ポイントと、過去4カ月で最高に達したものの、依然として悪化圏にとどまった。
ユーロ圏経済をけん引するドイツは44.4ポイント。速報値から0.1ポイント下がったものの、3月からは0.3ポイント上昇。新規受注は自動車産業の不振などにより輸出向けが落ち込み、全体の下げ幅は過去10年で最も大きな部類に入る。生産高は減速ペースがやや緩和したものの、過去6年半で2番目に速い。雇用も2カ月連続で縮小した。
フランスは50ポイントと分岐点に達し、速報値から0.4ポイント上方修正された。前月からは0.3ポイント上昇している。生産高は引き続き減少したが、落ち込み幅は3月より小さい。新規受注は2カ月連続で減ったが、こちらも減少ペースは和らいだ。雇用はわずかに加速しており、今年に入ってから拡大基調を維持している。
ユーロ圏製造業PMIのサブ指数を見ると、新規受注は過去75カ月で最低に落ち込んだ3月からは改善したものの、輸出向けの不振を背景に、落ち込み幅は依然として大きい。生産高も3カ月連続で縮小。一方、雇用は増加した。仕入れ価格の伸びはやや加速した半面、2017~2018年の平均値を下回っている。出荷価格の上昇幅は過去2年半近くで最も小さい。
IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは今回の結果について、「ユーロ圏の製造業は低迷した状態のままで第2四半期(4~6月)をスタートした。PMIは9カ月ぶりに上昇したものの、過去6年で2番目に低い部類となっており、事業状況全体の不振を示している」と説明。回答企業は、貿易保護主義やブレグジット、自動車産業の低迷により苦戦しているほか、世界的な需要減退に懸念を示していると分析した。
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