ロンドン中心部で気候変動対策の強化を訴える抗議デモが続いている。8日目となった22日には逮捕者の数が1,000人以上に達した。21日には、温暖化対策を訴える学校ストライキ活動でノーベル平和賞候補となっているスウェーデンの16歳の少女グレタ・トゥーンベリさんも応援に駆け付け、デモは「力を発揮している」と演説し拍手喝采を浴びた。BBC電子版が伝えた。
抗議デモは英国の環境保護団体「エクスティンクション・レベリオン」の呼び掛けで15日に始まった。政府に対し2025年までに二酸化炭素(CO2)の排出量をゼロにするよう求め、市内各所を占拠するなどして交通を混乱させている。ロンドン警視庁によると、この日時点での逮捕者数は1,065人に上り、うち53人が高速道路の通行妨害や警察の業務執行妨害などで起訴された。
トゥーンベリさんは21日夕、市中心部のマーブルアーチでの集会に参加し、「人類は分岐点に立っている」と演説。「政治家や権力者は、気候変動や生態系の危機に対し、あまりにも長い間、何の対策も講じなかったが、私たちはそれをもう許さない」と訴えた。
フィナンシャルタイムズによると、ロンドンのカーン市長はエクスティンクション・レベリオンに対し、「ロンドンに日常生活を戻してほしい」と要請するとともに、かねて警視庁の資金・人材が逼迫(ひっぱく)する中、「市民の安全をリスクに晒すのは正しいことではない」と訴えた。これを受け同団体は、同市長が対話に応じれば市内各所の占拠を解く姿勢を示している。同団体は22日にマーブルアーチで集会を開き、今後の方針を決定するとしている。[環境ニュース]
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