世界銀行は5日発表した報告書の中で、欧州と中央アジアの今年の域内総生産(GDP)が前年比2.1%拡大するとの見通しを示した。世界的な経済成長の低迷や先行き不透明感を背景に、昨年の3.1%から大きく減速するとみている。
うち、ユーロ圏の今年の成長率は1.6%と予想。中欧・バルト諸国は3.6%と前回1月の予測を維持し、2020年と2021年は労働人口の縮小や減速するユーロ圏経済との密接なつながりなどを背景にそれぞれ3.3%、3%に減速するとみる。西バルカン諸国については今年は3.5%、来年と再来年は共に3.8%になると予想した。
東欧の2019年の成長見通しは2.6%と、前回から0.3ポイント下方修正。2020年は3.1%、2021年には3.3%に加速するとみる。中央アジア諸国は今年は4.2%になり、堅調だった2018年の4.7%から減速すると予想。来年と再来年はそれぞれ4%、4.1%になるとしている。ロシアについては、2019年は昨年の2.3%から1.4%に大きく減速すると予想。原油価格の低迷などを背景に、前回から0.1ポイント引き下げた。
世銀は「欧州と西バルカン諸国は世界の先行き不透明感に影響を受けやすく、高齢化や生産性の低下、投資の減退、気候変動を含む複数の長期的な問題に直面している」と指摘。こうした諸国は、「ガバナンスの改善やグローバル・バリューチェーンへの参加促進に加え、より多くの人々が銀行口座やデジタル決済といった金融サービスにアクセスできるようにすべき」としている。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。