金融情報サービス会社IHSマークイットは22日、3月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数、速報値)が51.3ポイントとなったと発表した。前月から0.6ポイント低下。景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントは69カ月連続で超えたものの、2014年11月以降で3番目に低い水準となった。
ユーロ圏の製造業PMIは47.6ポイントと、2月から大きく1.7ポイント低下。引き続き悪化圏にとどまり、2013年4月以降で最低に沈んだ。新規受注は、6カ月連続で減少し、2012年12月以降で落ち込みが最も加速。うち輸出向けは、2012年8月以降で最大の落ち込みを記録した。事業見通しは製造業で依然として低く、サービス業も2014年後半以降で最低の部類となっている。
製造業PMIの国別データを見ると、ドイツは44.7ポイントと大きく2.9ポイント低下。引き続き分岐点を下回り、過去79カ月で最低を記録した。フランスは1.7ポイント下がって49.8ポイントとなり、悪化圏に転じた。
ユーロ圏総合指数のうち、生産高は伸びがやや加速したものの、新規受注は横ばい。雇用ペースは減速した。仕入れ価格は、上昇幅が2016年10月以降で最も小さいものの、出荷価格は堅調に伸びている。
■サービス業は仏が悪化圏入り
ユーロ圏のサービス業PMIは52.7ポイントと、0.1ポイントわずかに低下。国別ではドイツが54.9ポイントで、前月を0.4ポイント下回った。フランスも48.7ポイントと1.5ポイント下がり、分岐点を下回った。
IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは、第1四半期(1~3月)はユーロ圏経済が停滞した状態で終わり、成長ペースは2014年以降で最も低い部類になっていると指摘。製造業の不振をサービス業の伸びが相殺し、域内総生産(GDP)成長率は0.2%になると予想する。
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