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1月は過去4年超で最低 ユーロ圏製造業PMI確定値

金融情報サービス会社IHSマークイットは1日、1月のユーロ圏製造業PMI(購買担当者景気指数、確定値)が50.5ポイントになったと発表した。速報値から変化がなく、前月を0.9ポイント下回っている。景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントは67カ月連続で超えたものの、2014年11月以降で最低を記録した。

調査対象の8カ国のうち、イタリアは47.8ポイントと4カ月連続で分岐点を下回り、過去68カ月で最低の水準に達した。アイルランドは52.6ポイントと、2016年10月以降で最も低い。オーストリアは52.7ポイント、ギリシャは53.7ポイントに低下。オランダは55.1ポイントで、それぞれ過去29カ月、過去28カ月で最も減速している。一方、スペインは52.4ポイントに上昇した。

ユーロ圏経済をけん引するドイツは49.7ポイント。速報値から0.2ポイント下方修正され、2018年12月からは1.8ポイント低下。4年超で初めて分岐点を下回った。新規受注は、貿易摩擦などにより輸出向けの需要が落ち込み、過去6年以上で最も縮小。生産高は引き続き増えたものの、伸びは2013年5月以降で最も縮小した。雇用ペースは過去23カ月で最も減速した11月の水準にとどまっているものの、長期平均と比較すると依然として高水準にある。

フランスは51.2ポイントでこちらも速報値から変化がなく、昨年12月からは1.5ポイント上昇。27カ月ぶりに分岐点を下回った前月から改善圏に復帰した。生産高は、自動車産業で低迷が続きわずかに落ち込んだものの、下落幅は昨年12月からは縮小。新規受注も落ち込みペースが減速した。輸出向け受注は5カ月連続で減少している。一方、雇用は3カ月ぶりに上昇した。

ユーロ圏製造業PMIのサブ指数を見ると、新規受注が4カ月連続で減少し、落ち込み幅は2013年4月以降で最大。国内外でいずれも需要が冷え込んだことが影響した。一方、生産高はわずかに増加。雇用も引き続き増えたものの、伸びは2016年9月以降で最も減速している。仕入れ価格は上昇幅が過去2年半で、出荷価格は過去1年半でそれぞれ最低となった。

IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは今回の結果について、「製造業がマイナス成長の傾向にあり、第1四半期(1〜3月)の域内経済成長の足を引っ張る可能性が濃厚となった」と指摘。欧州連合(EU)が導入した自動車の燃費や炭素排出量測定の新基準による自動車産業の低迷や、フランスでの反政府デモといった一時的な要因がいまだに影響していることは明白だが、政治的な先行き不透明感や貿易摩擦に起因するより根深い不快感も反映していると分析した。

■英は過去2年半で2番目に低い水準

IHSマークイットによると、1月の英国の製造業PMIは52.8ポイント。昨年12月から1.4ポイント低下し、2016年7月以降で2番目に低い水準を記録した。ただ、分岐点の50ポイントは30カ月連続で超えている。英国のEU離脱に備え、回答企業が新規購入と備蓄を引き続き増やした一方、生産高と新規受注は縮小した。


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関連業種: 自動車・二輪車その他製造金融マクロ・統計・その他経済雇用・労務政治社会・事件

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