仏自動車大手ルノーは24日、取締役会を開催し、タイヤで欧州最大手の仏ミシュランのジャンドミニク・スナール最高経営責任者(CEO)が新たな会長に、ルノーのティエリ・ボロレ暫定副CEOが正式なCEOにそれぞれ就任すると発表した。両職にとどまっていたカルロス・ゴーン被告は会社法違反(特別背任)などの罪で起訴されており、現在は日本で勾留中。先に辞表を提出しており、ルノーは新体制で安定化を図る。
ルノーは今回、新たなガバナンスを構築するに当たり、会長職とCEO職を別々にしたと説明。新会長は必要に応じてコーポレートガバナンス(企業統治)を変える権限を持つほか、ルノー・日産自動車・三菱自動車連合の運営にも携わる。スナール氏は次回の年次株主総会までに、ガバナンスを進化させる案を取締役会に提示する予定。
ルノーの会長兼CEO職の後任については、かねて両氏の就任が取り沙汰されていた。
ゴーン被告は昨年11月、金融商品取引法違反の疑いで逮捕された。東京地検特捜部は翌月、有価証券報告書に報酬を過少報告したとして起訴。同被告は会社法違反(特別背任)の罪でも起訴された。ゴーン被告は保釈承認の獲得に向けて、会長を務めていた日産の株式を担保に差し出すことなどを条件として提示したが、証拠隠滅の恐れを払拭(ふっしょく)できず2度却下されている。ゴーン被告の勾留は公判が開始される6月まで延びる可能性が高まっている。[日本企業の動向][労務]
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