独自動車大手ダイムラーは7日、高度な自動運転トラックの開発に向こう数年で5億ユーロを投資すると発表した。10年以内に米自動車技術者協会(SAE)の定める「レベル4」(高度自動運転)を実現させる狙いで、これに向け200人超を新規雇用するとしている。
ダイムラーは、米ラスベガスで8日に開幕した世界最大級の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で、大型トラック「カスカディア(Cascadia)」の自動運転版を初披露。「レベル2」(部分自動運転)の機能を備えており、北米で初の量産型の部分自動運転トラックとなる。
ダイムラーは商用トラックにおいて、レベル2の次のステップはレベル4になると分析。「レベル3」(条件付き自動運転)は開発コストがかさむ半面、顧客にとり実質的な利点がないためだ。同社はレベル4の量産に向けた開発を進め、特定のルートでドライバーの介入を必要としない自動運転モードに切り替わる機能を目指している。
ダイムラーは交通事故の大半は、依然として人為ミスによって生じていると主張。疲労や注意散漫が起きないセンサーやシステムによる運転操作は、安全性の向上につながるとしている。
ダイムラーは米オレゴン州ポートランドに自動運転トラックの研究開発(R&D)拠点を擁し、新たに雇用する機械工学エンジニアやロボティクスの専門家などの大部分は同センターで勤務する予定。独南西部シュツットガルトや印南部のベンガルール(バンガロール)にあるトラックのR&D拠点とも連携する計画だ。
なおダイムラーは昨年12月、2030年までに電気自動車(EV)向け電池セルの調達に200億ユーロ超を投資すると発表した。コネクテッド(つながる)、自動運転、シェアリング、電動化のいわゆる「CASE」の4分野を巡る事業戦略の一環。[環境ニュース][労務]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。