欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは4日、2018年12月のユーロ圏19カ国の消費者物価指数(CPI、速報値)が前年同月比1.6%上昇したと発表した。伸びは11月の1.9%から減速し、過去8カ月で最低水準となった。欧州中央銀行(ECB)は先に昨年末での量的緩和政策の終了を確認した際、向こう数カ月のインフレ率が減速するとの見通しを示していた。
12月はエネルギーが5.5%上昇したものの、前月の9.1%から大きく減速。食品・アルコール飲料・たばこは1.8%値上がりした。サービスは1.3%、エネルギーを除く工業製品は0.4%それぞれ伸びている。
価格変動が激しい食品・アルコール飲料・たばことエネルギーを除いたコアインフレ率は1%と、前月から横ばいだった。
ECBは昨年12月の政策理事会で、ユーロ圏の市場介入金利(最重要の政策金利)を過去最低のゼロ%に据え置くことを決めた。中銀預入金利もマイナス0.4%で維持。量的緩和策については、当初の予定通り2018年12月末で国債などの新規購入を終了した。ただし満期を迎える債券については全額を再投資に回し、これを政策金利の引き上げが始まる時期以降も当面は続けるとした。同行は引き続き、インフレ率を目標とする「2%をわずかに下回る水準」に据え置いている。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。