英国の2018年の発電量が前年比1.2%減の3,350億キロワット時となり、1994年以降で最低水準に落ち込んでいたことが、気候変動情報サイトのカーボン・ブリーフが3日公表したリポートで明らかになった。ただ、このうち再生可能エネルギー由来の発電量は過去最高記録を更新している。
カーボン・ブリーフは政府や業界団体のデータに基づき、昨年の発電量を分析。その結果、英国では人口が増えているにもかかわらず総発電量が減っており、人口1人当たりの電力消費量が減少していることが分かった。その背景には、電気製品のエネルギー効率規制の導入や、発光ダイオード(LED)などの省エネ型照明の普及、消費者の環境意識の高まりに加え、エネルギー集約型産業の海外移転といった経済の再編があるとしている。
昨年の発電量を電源別に見ると、最も多いガス火力発電は1,320億キロワット時と、前年から3.5%減った。原子力発電も7.1%減の650億キロワット時。一方、風力発電は16%増と力強く伸びて580億キロワット時に達している。バイオマス発電も360億ワット時と、12.5%伸びている。一方、石炭火力発電は26.1%落ち込み、170億キロワット時にとどまった。太陽光発電は8.3%増の130億キロワット時だった。
再生可能エネルギーが全体に占める比率は33%と、2017年の29%からさらに拡大。これに原子力を合わせた低炭素の発電量は全体の53%に達した。一方、化石燃料由来の発電量の比率は46%と過去最低に落ち込んでいる。[環境ニュース]
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