イタリア政府は19日、2019年度予算案を巡り欧州委員会と合意に達した。10月の予算案提出後から話し合いは膠着(こうちゃく)状態が続いていたが、伊政府が譲歩し財政赤字目標を見直したことで状況が打開された。BBC電子版などが伝えた。
修正案では、財政赤字目標を対国内総生産(GDP)比で従来の2.4%から2.04%に引き下げることを提案。欧州委は当初、依然として改善の余地があるとの見解を示していた。だが同委のモスコビシ経済・財務・税制担当委員は、「今年はジェノバでの橋崩落や相次ぐ暴風雨に見舞われるなど、イタリア国民にとって厳しい1年だった」と理解を示し、「今回の合意は欧州委がイタリア国民の敵ではないことを示している」と述べた。
伊政府は10月、財政赤字の対GDP比率を2.4%と、前政権が目指していた0.8%から3倍に拡大する内容の予算案を欧州委に提出。同委はこれを拒否し是正を求めたものの、伊政府が応じなかったため、先に制裁手続きを開始していた。修正案でEUの承認が得られない場合、イタリアにはGDPの最大0.2%に相当する罰金が科せられる恐れがあったが、今回の合意により回避された。[EU規制]
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