自動車製造取引業者協会(SMMT)は5日、10月の英国の新車登録台数が15万3,599台となり、前年同月比2.9%減少したと発表した。9月に導入された欧州連合(EU)の新基準「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)」対応車へのモデルチェンジなどで一部のメーカーで供給不足が続き、2カ月連続でマイナスとなった。
10月は個人向けが1%、フリート向けが5.2%減少。半面、法人向けは10%拡大した。燃料別ではディーゼル車が21.3%減少した一方で、ガソリン車は7.1%増加。電気自動車(EV)など代替燃料車(AFV)は30.7%伸び、市場シェアは6.9%に上昇した。
新車登録台数をメーカー別に見ると、英国車は仏グループPSA(旧プジョー・シトロエン・グループ)傘下のボクソールが3.1%減少。半面、インドのタタ・モーターズが展開するランドローバーと姉妹ブランドのジャガーは、それぞれ31.7%、81.9%と大きく伸びた。
ドイツ勢は販売台数が最も多いフォルクスワーゲン(VW)が0.7%減少。高級車はBMWが2.3%増えた一方、VW傘下のアウディが52.7%と大きく減った。メルセデス・ベンツも3.5%のマイナス。フランス車はプジョーが4.3%拡大し、姉妹ブランドのシトロエンも8.8%伸びた。米フォードは14.1%減っている。
日系メーカーは、トヨタ自動車(レクサス除く)が17.3%増加。日産自動車は21.4%減った。マツダとスズキはそれぞれ43%、5.2%拡大している。三菱自動車は大きく99.7%増加。スバルも36.4%増えている。韓国勢は現代自動車が19.2%落ち込み、傘下の起亜自動車も8.5%のマイナスとなった。
1~10月の累計登録台数は全体で206万4,419台と、1年前を7.2%下回っている。
SMMTのマイク・ホーズ最高経営責任者(CEO)は10月について、自動車税(VED)や排ガス規制を巡る混乱が市場に影響を与えた今年、EVの登録台数が増えたことは喜ばしいが、需要は他の損失を埋めるレベルには届かず、政府の助成金カットの判断を鈍らせていると指摘した。[環境ニュース]
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