欧州航空・防衛最大手エアバスは10月31日、第3四半期(7~9月)の純利益が9億5,700万ユーロとなり、前年同期の3億700万ユーロから3倍以上に拡大したと発表した。中型ワイドボディー機「A350」の納入が増え貢献した。ただ、通期財務目標の達成に必要な年間800機の納入目標を達成するのは、困難になりつつあるとしている。
売上高は20%増の154億5,100万ユーロ。うち民間機部門は27%増と力強く伸びた。ヘリコプター部門は8%減少したが、防衛・宇宙部門は11%増加している。グループのEBIT(利払い・税引き前利益、特別損益除く)は15億7,600万ユーロと、1年前の6億5,500万ユーロから2倍以上に伸び、市場予想を上回っている。
9月末時点の民間機の純受注機数(キャンセル分除く)は256機と、1年前の271機から5.5%減少。受注残機数は7,383機と、10.3%増えている。
1~9月期の民間機の引き渡し機数は503機で1年前から10.8%増えた。生産が滞っていた中距離向け旅客機「A320neo」については、エンジンの納入遅延の解消に伴い1年前の90機を大幅に上回る222機を納入している。
同社は通年について、800機を納入する目標を据え置いたものの、上半期(1~6月)のエンジン納入遅延や内部での生産上の問題により、達成はさらに困難になっているとした。特別損益を除くEBITの見通しは、50億ユーロに維持している。
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