2年に1度開かれるパリ・モーターショーが2日開幕した。欧州連合(EU)の排ガス規制強化が2021年に迫る中、今年は地元フランス勢や独高級車ブランドを中心に、各社が電気自動車(EV)の新モデルを披露。一方、独フォルクスワーゲン(VW)や伊フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)など欠席するブランドも目立つ。一般公開は10月4~14日。
仏ルノーは、新EVコンセプト車「K―ZE」を発表。スポーツタイプ多目的車(SUV)風の小型車で、2019年に低価格EVとして中国で発売する予定。また、仏グループPSA(旧プジョー・シトロエン・グループ)は、プジョーの名車「504クーペ」のデザインを未来風にアレンジしたEVコンセプト車「Eレジェンド」を初公開。シトロエンは新SUVモデル「C5エアクロス」のハイブリッド車(HV)を世界初披露している。
独高級車ブランドでは、独ダイムラー傘下のメルセデス・ベンツがEVブランド「EQ」のコンセプト車「シルバーアロー」と、先に発表した完全電動型SUV「EQC」を披露。また、VW傘下のアウディも完全電化型SUV「eトロン」を初公開する。日本勢では、インフィニティがフォーミュラワンのレースカー機能を取り入れたHVのクーペ「プロジェクト・ブラックS」を披露するほか、ホンダがHV版「CR―V」を発表する。
EV以外では、プジョーがワゴン車「508SW」の新モデルを披露。BMWのセダン「3シリーズ」の新モデルや、メルセデス・ベンツの高性能モデル「AMG A35」およびSUV「GLE」の新モデルにも注目が集まる。トヨタ自動車は「カローラ・ツーリング・スポーツ」を初公開している。
今回のパリ・モーターショーは、出展を見合わせたブランドも多く、FCA傘下のフィアット、クライスラー、ジープ、アルファロメオはいずれも不参加。VWグループではVWブランドと英ベントレーが欠席した。このほか、英アストンマーティン、BMW傘下の英ロールス・ロイス、PSA傘下の独オペルと英ボクソール、スウェーデンのボルボのほか、日本勢では日産自動車、マツダ、三菱自動車が出展を見合わせている。自動車メーカーの間では最近、数百万ドルのコストがかかる自動車ショーを敬遠し、独自の新モデル発表会を企画したり、毎年1月に米ラスベガスで開かれる世界最大級の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」に出展する動きが高まっている。[環境ニュース][日本企業の動向]
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