プーチン大統領は29日、年金改革法案を一部修正する方針を明らかにした。国民の反発が強く、支持率が低下していることが背景にある。BBC電子版が伝えた。
ロシアの年金受給開始年齢は、1930年代から女性は55歳、男性は60歳に設定されており、世界で最も低い水準となっている。政府は6月、年金生活者の急増や労働人口の縮小に備えるため、これをそれぞれ63歳、65歳に引き上げる法案を提出していた。
プーチン大統領はこの日、異例のテレビ演説を行い、女性の受給開始年齢の引き上げを60歳にとどめると明らかにした。ただ、男性の受給開始年齢を65歳に引き上げる方針は維持する。同大統領は併せて、年金支給額を毎年段階的に引き上げ、2024年の任期終了までに現在の水準より40%以上拡大すると確約した。
世界保健機関(WHO)によると、ロシア人の平均寿命は男性が66歳、女性が77歳。労組は、年金受給開始年齢が引き上げられれば、多くの国民が年金を受け取る前に亡くなることになると反発していた。政府系調査機関の全ロシア世論調査センター(VTsIOM)の最新世論調査によると、プーチン大統領の支持率は前回の80%から64%に低下している。[労務]
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