欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは14日、ユーロ圏19カ国の2018年第2四半期(4~6月)の実質域内総生産(GDP、2次速報値)が前期比0.4%増加したと発表した。1次速報値から0.1ポイント上方修正されており、伸びは第1四半期から横ばい。圏内最大の経済規模を誇るドイツはやや加速している。
国別の成長率を見ると、ドイツは0.5%と第1四半期の0.4%を上回った。家計最終消費支出と政府最終消費支出は共に増加。投資を示す総固定資本形成は建設や機械・機器などの分野でわずかに伸びた。貿易は輸出と輸入が共に拡大し、中でも輸入は力強く伸びた。
フランスの成長率は0.2%と、前期から変化がない。イタリアは0.2%、スペインは0.6%と共に0.1ポイント減速した。一方、オランダは0.1ポイント加速し、0.7%だった。ユーロ圏外では英国が0.4%と、前期の0.2%から加速している。
ユーロ圏のGDPは、前年同期比では2.2%拡大。1次速報値から0.1ポイント上方修正された。EU28カ国全体ではこちらも前期比で0.4%、年率では2.2%それぞれ伸びた。
欧州委員会は7月に発表した夏季経済見通しの中で、今年のユーロ圏の実質GDPが前年比2.1%拡大するとの見方を示した。前回5月時点の春季予測から0.2ポイント引き下げた形で、米国との貿易摩擦や、英国の欧州連合(EU)離脱交渉における不透明感が引き続き下振れリスクになると警告している。来年については2%とし、こちらは前回の見通しを維持した。
ユーロ圏の第1四半期GDPの改定値は9月7日に発表される予定。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。