伊自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は21日、セルジオ・マルキオンネ最高経営責任者(CEO)が重病のため退任すると発表した。肩の手術を受け療養中だったが、容体が急変し職務復帰が不可能になったとしている。後任には傘下の「ジープ」ブランドを統括するマイク・マンリー氏が就く。同氏は今後、マルキオンネCEOが6月に打ち出した5カ年計画に取り組むことになる。
同社は「数日中に次回株主総会を開き、マンリー氏を執行役員に選出することを提案する」とした上で、「マンリー氏に完全な権威を与え、当社事業の継続性を確保するため、同氏に即時、CEOの全権限を付与した」としている。
マルキオンネ氏は2019年4月に退任する予定だった。同氏は2004年にCEOに就任し、「フィアット」と「クライスラー」を破綻の危機から立ち直らせた。6月初めにはFCAの2022年までの5カ年計画を発表し、450億ユーロを投資して電動化モデルの拡充や自動運転車の開発に取り組む方針を示していた。
なお、マルキオンネ氏は傘下の超高級スポーツカーメーカー、フェラーリの会長兼CEOも務めていた。フェラーリはこの日、会長の後任にFCAのジョン・エルカン会長が就任し、CEO職の後任には同社のルイス・カミレリ取締役が指名されたと明らかにしている。また、やはりマルキオンネ氏が会長を務めていた伊産業機械・商用車大手CNHインダストリアルは、後任にフィアットとフェラーリ、同社の持ち株会社エクソールのスザンヌ・ヘイウッド社長が就くと発表した。[労務]
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