日本と欧州連合(EU)は17日、経済連携協定(EPA)への署名を行った。日EU定期首脳協議で来日中のユンケル欧州委員長やトゥスク欧州理事会議長(EU大統領)、安倍首相が署名。併せて、日EU戦略的パートナーシップ協定(SPA)にも署名した。
日欧間のEPAは昨年12月に交渉妥結し、2019年に発効する予定。SPAは今年2月に合意していた。日EUの経済規模は全世界の国内総生産(GDP)の30%近くを占め、人口も合わせて6億人を超える。EPAの発効で、世界最大の自由貿易圏が形成されることになるほか、トランプ米大統領が掲げる保護貿易主義に対抗する上でも重要となる。
ユンケル欧州委員長は「開かれた、公平かつルールに沿った通商を信じている。貿易協定はゼロサムゲームではなく、参加者全てにとってウィンウィンであり、この協定は双方に恩恵をもたらすとともに互いの敏感な分野を保護するもの」と強調した。
日EU間のEPAでは、欧州産チーズやワインの関税が撤廃されるほか、欧州からの牛肉輸出量が拡大する。一方、日本にとっては乗用車や自動車部品の輸入関税が撤廃される恩恵がある。また、日EU双方の地理的表示(GI)も保護される。
署名式は当初、安倍首相が11日にブリュッセルを訪問して行う予定だったが、甚大な被害を及ぼした西日本豪雨を受けて取りやめていた。
EUは今年に入り、メキシコとの新たな自由貿易協定(FTA)交渉で大筋合意。オーストラリアおよびニュージーランドともFTA交渉を開始している。
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