独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は19日、米同業フォード・モーターと戦略的提携に向けた覚書(MOU)を結んだと発表した。商用車の共同開発など複数のプロジェクトを検討する。相互出資などの資本提携は予定していない。
両社は「様々な商用車の共同開発など、複数分野でプロジェクトの可能性を探ることにより、顧客ニーズの進展に対応する」としている。提携の詳細な内容は、交渉が進む中で明らかにする方針。
VWのグループ戦略を統括するトマス・セドラン氏は、「両社は様々な商用車セグメントで既に強固な地位を築いており、相互補完性も高い」と指摘。「困難な事業環境に適応するためには、提携を通じて柔軟性を獲得することが極めて重要」と話している。
VWとフォードは1990年代前半に中南米で提携するとともに、欧州でミニバンを共同開発した実績がある。VWは以前、独同業ダイムラーと小型商用車の共同生産を行っていたが、数年前に提携を解消した。自動車業界では、排ガス基準の厳格化と、オンライン販売の増加による宅配需要の拡大が重なり、小型商用車の電化を急いでいる。こうした中、協業による開発コストの負担共有は合理的な選択肢となっている。[環境ニュース]
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