欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは5月31日、5月のユーロ圏19カ国の消費者物価指数(速報値)が前年同月比1.9%上昇したと発表した。上昇幅は4月の1.2%から大きく加速し、過去1年超で最大となった。欧州中央銀行(ECB)が目標とする約2%に大きく近づいている。
5月は食品・アルコール飲料・たばこが2.6%上昇し、前月の2.4%から加速。エネルギーは前月から大きく3.5ポイント伸び、6.1%値上がりした。サービスは1.6%、エネルギーを除く工業製品は0.2%それぞれ伸びた。
価格変動が激しい食品・アルコール飲料・たばことエネルギーを除いたコアインフレ率は1.1%と、前月から伸びが0.4ポイント拡大した。
なお、欧州中央銀行(ECB)は4月の政策理事会で、ユーロ圏の市場介入金利(最重要の政策金利)を過去最低のゼロ%に据え置いた。量的緩和策については、毎月300億ユーロの資産購入を少なくとも9月末まで続け、必要であれば9月以降も継続するとしている。ただ、ECBの専務理事であるラウテンシュレーガー氏とクーレ氏は、資産購入を年内に終了するよう主張を強めており、5月のインフレ率はこの好材料となりそうだ。
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