金融情報サービス会社IHSマークイットは23日、5月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数、速報値)が54.1ポイントとなったと発表した。前月から1ポイント低下し、過去18カ月で最低を記録。景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントを59カ月連続で超えたが、落ち込み幅は市場予想を大きく上回った。
ユーロ圏の製造業PMIは55.5ポイント。4月から0.7ポイント下落し、過去15カ月で最低を記録した。生産高の伸びは過去18カ月で最も縮小し、新規受注は5カ月連続で減速している。
製造業PMIの国別データを見ると、ドイツは56.8ポイントと1.3ポイント低下。2017年2月以降で最も低い水準となった。一方、フランスは1.3ポイント上昇し、過去3カ月で最高の55.1ポイントに達した。
ユーロ圏総合指数のうち、生産高の伸びは過去1年半で最も縮小し、新規受注も減速した。雇用ペースは高水準を維持している。仕入れ価格は過去3カ月で最も上昇し、出荷価格も引き続き上昇基調にある。
■サービス業は独仏共に低下
ユーロ圏のサービス業PMIは53.9ポイントと、0.8ポイント低下。国別ではドイツが52.1ポイントで、前月を0.9ポイント下回り、過去20カ月で最低を記録。フランスは54.3ポイントと大きく3.1ポイント低下し、こちらは16カ月ぶりの低水準だった。
IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン首席エコノミストは今回の結果について、「5月はいつになく祝日の数が多く、これが影響したとの報告も見られた」と指摘。第2四半期(4~6月)の域内総生産(GDP)成長率は0.4%をやや上回ると予測し、0.5~0.6%とした5月初めの見通しを引き下げている。
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