英オンライン食品販売会社オカド(Ocado)は17日、米スーパー大手クローガー(Kroger)と提携することで合意したと発表した。オカドが持つ食品配達向けの技術を、米国でクローガーに独占的に提供する。オカドは米小売業界でウォルマートに次ぐ巨大企業のクローガーと手を組み、世界最大市場である米国への進出を果たす格好だ。
オカドは、オンラインショッピング用プラットフォーム「スマート・プラットフォーム」をクローガーに提供する。両社は既に、米国で年内に3カ所の自動化物流施設を設置するための候補地を選定しており、向こう3年間でこれを最大で合計20カ所に増やす方針。また、クローガーはオカドの株式5%を取得することでも合意した。
オカドは、クローガーは米国の食品小売市場で勝ち抜くのに最適な企業であるとし、米国の他の小売業者との協議を打ち切ることを明らかにした。クローガーの年商は約1,220億ドルに上り、スーパーマーケットチェーンでは米最大手、小売業者としても世界最大手のウォルマートに次ぎ米国で2位に付けている。
オカドは昨年11月以降、仏カジノ・グループ、カナダのソビーズ(Sobeys)、スウェーデンのICAグループと相次いで提携を結んでおり、クローガーとの提携は過去半年で4件目となる。また英国では、英スーパー4位のモリソンともオンライン食品販売で契約を結んでいる。
オカドは、足元の英国ではオンライン食品販売会社としてのイメージが強い。だが市場関係者はそうした事業は「氷山の一角」にすぎず、テクノロジーや物流がオカドの真骨頂だとした上で、これらのサービスを世界中の市場でライセンス供与できる可能性を秘めていると指摘している。[M&A]
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