仏重電大手アルストムは16日、2018年3月通期の純利益が4億7,500万ユーロとなり、前期比64.4%増加したと発表した。鉄道車両事業などが好調だったほか、製品ポートフォリオの充実が奏功した。
売上高は9%増の79億5,100万ユーロ。独総合電機大手シーメンスとの事業統合を予定する主力の鉄道車両事業は34億6,400万ユーロと、1年前から9.3%増加した。システム事業は31.5%伸びた。サービス事業は0.8%増えている。一方、2015年に米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)から取得した鉄道信号事業は4.8%減少した。
EBIT(利払い・税引き前利益、特別損益除く)は5億1,400万ユーロと、22%拡大。EBITベースの利益率は6.5%と1年前から0.7ポイント上昇した。
3月末時点の受注残高は2%減の341億7,800万ユーロ。新規受注高は28%減り、71億8,300万ユーロとなった。
今年については、売上高が80億ユーロ近くまで拡大するとともに、特別損益を除くEBITベースの利益率は最大7%に達すると予想している。なお、同社は新最高財務責任者(CFO)に欧州航空・防衛最大手エアバスのサービス部門トップを務めるローラン・マルティネス氏を指名した。7月1日付で就任する。
同社は3月、シーメンスと、鉄道事業の統合に関する条件を明記した企業合併契約(BCA)を締結。新会社「シーメンス・アルストム」の最高経営責任者(CEO)には、アルストムのアンリ・プパールラファージュCEOが就くことが既に決まっているが、先には、同氏を含む11人の取締役員候補が明らかにされた。シーメンスから6人、アルストムから5人が選出されており、全体の約半分を女性が占めている。次回の株主総会で承認を求める予定。[M&A][労務]
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