欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは15日、ユーロ圏19カ国の2018年第1四半期(1~3月)の実質域内総生産(GDP、2次速報値)が前期比0.4%増加したと発表した。1次速報値から変化がなく、伸びは2017年第4四半期の0.7%から減速。圏内最大の経済規模を誇るドイツも減速した。
国別の成長率を見ると、ドイツは0.3%と第4四半期の0.6%を下回った。投資を示す総固定資本形成は建設や機械・機器の分野で大きく拡大し、家計最終消費支出はわずかに伸びた。一方、政府最終消費支出は過去5年弱で初めて減少した。貿易は輸出と輸入が共に縮小し、伸びが減速している。
フランスの成長率は0.3%と、前期から0.4ポイント減速。イタリアは0.3%、スペインは0.7%と共に横ばいだった。オランダは0.2ポイント減速し、0.5%だった。ユーロ圏外では英国が0.1%と、前期の0.4%から減速している。
ユーロ圏のGDPは、前年同期比では2.5%拡大。1次速報値から変化がなかった。EU28カ国全体ではこちらも前期比で0.4%、年率では2.4%それぞれ伸びた。
欧州委員会は先に発表した春季経済見通しの中で、今年のユーロ圏19カ国のGDP成長率が2.3%になると予想。2月時点の予測を据え置いた形だが、米中間の貿易摩擦が世界経済に悪影響を及ぼす可能性に言及した。来年については2%とし、こちらも前回の見通しを維持した。
ユーロ圏の第1四半期GDPの改定値は6月7日に発表される予定。
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