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次期EU予算、1.3兆ユーロに 英国離脱で拠出金増額へ=欧州委

欧州委員会は2日、英国の欧州連合(EU)離脱後の2021~2027年を対象とする次期EU予算案を発表した。予算規模は1兆2,500億ユーロと、2014~2020年の1兆900億ユーロを上回っている。予算案は全加盟国の承認を得る必要があり、欧州委は2019年5月の欧州議会選挙までに合意を得ることを目指している。

歳入面では、英国の離脱により2021~2027年の7年間で1,000億ユーロ超減る見通しであることから、各国に拠出金の増額を求める。この結果、加盟27カ国の拠出金合計額は、国民総所得(GNI)の合計額の1.11%となり、現在の1.03%から拡大する。

このほか、リサイクル不能なプラスチックを対象とした新税の導入や、二酸化炭素(CO2)排出権取引制度(EU―ETS)に基づき加盟各国が徴収している資金をEU予算に組み込むことを提案。また、拠出額が補助金などの受給額を上回る純拠出国へのリベートを廃止するとしている。

歳出面では、補助金などの支払いを対象加盟国がEUの価値観を尊重しているかどうかによって決める制度を新たに導入する。また、ユーロ圏諸国のみを対象とした300億ユーロの「欧州投資安定化機能」を新設し、経済不振時に投資水準を維持できるようにする。この背景には、マクロン仏大統領がユーロ圏向けの予算枠設定を強く訴えていたことがある。

このほか、最大の支出項目である農業補助金を5%削減する一方、移民・難民対策費を現行予算の124億ユーロから330億ユーロに拡大し、国境警備の人員を1,500人から1万人に増員する。また、海外援助も26%増やし1,230億ユーロとする。

欧州委のユンケル委員長はこの予算案について「より少ない資金でより多くを達成するための実務的な計画」と説明し、加盟各国に迅速な承認を求めた。[EU規制][環境ニュース]


関連国・地域: 英国フランスEU
関連業種: 農林・水産マクロ・統計・その他経済政治社会・事件

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