欧州委員会は23日、経営破綻した伊アリタリア航空に対するイタリア政府のつなぎ融資が、国家補助について定めた欧州連合(EU)法に則っているかどうか本格調査すると発表した。アリタリアは2017年5月に破産申請して以降、政府から2度にわたり総額9億ドルのつなぎ融資を受けている。
欧州委は現時点での見解として、伊政府からの融資は国家補助に該当し得ると指摘し、救済や再建への補助に関するガイドラインに準じているかを詳しく調査する方針を示した。欧州委はとりわけ、返済期限が2018年12月まで延長されたことや融資額が必要最低限だったかを懸念。ガイドラインには、返済期限は最長6カ月と定められている。
伊政府は、アリタリアが当面の運航を継続するための資金として、2017年5月に6億ユーロ、同年10月に3億ユーロのつなぎ融資を承認した。今年1月には、救済支援として総額9億ユーロのつなぎ融資を実施したことを欧州委に通知したが、同委には融資がEU法に則っていないとの不服申し立てが多数寄せられていた。
なお、アリタリアへの資産に対しては現在、独ルフトハンザ航空と英格安航空イージージェットが関心を示している。関係者によると、ハンガリーの格安航空ウィズエアーも買収案を提示しているという。
アリタリアには、投資家連合コンパニア・アエレア・イタリアーナ(CAI)が51%、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のエティハド航空が49%をそれぞれ出資する。[M&A][EU規制]
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