金融情報サービス会社IHSマークイットは5日、3月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数、確定値)が55.2ポイントとなったと発表した。速報値から0.1ポイント下方修正され、2月からは大きく1.9ポイント低下。過去14カ月で最低を記録したが、景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントを57カ月連続で超えており、高水準を維持している。
調査対象5カ国のうち、フランスは56.3ポイントと速報値から0.1ポイント上方修正されたものの、2月からは1ポイント低下し、過去7カ月で最も低い。ドイツは55.1ポイントで速報値を0.3ポイント下回り、前月からは2.5ポイント下がった。アイルランドは53.7ポイントと過去57カ月で最低を記録。イタリアは53.5ポイント、スペインは55.8ポイントにそれぞれ落ち込んでいる。
総合指数の生産高のうち、製造業とサービス業はそれぞれ2016年11月、2017年8月以降で最も減速した。生産高は調査対象の全5カ国で拡大したものの、伸びは鈍化している。新規受注の伸びは過去14カ月で最も小さい。雇用ペースは2017年9月以降で最も縮小したが、依然として過去10年で最も高い部類に入る。出荷価格の伸びは今年1月、仕入れ価格は昨年9月以降で最も減速している。
■サービス業は独仏ともに低下
ユーロ圏のサービス業PMIは54.9ポイント。速報値から0.1ポイント下方修正され、前月からは1.3ポイント低下した。国別では、ドイツが53.9ポイントと前月を1.4ポイント下回り、過去7カ月で最低となった。新規受注と雇用の伸びは共に2017年8月以降で最も減速。一方、向こう12カ月の事業見通しは、高水準を維持している。
フランスは56.9ポイントで、前月から0.5ポイント低下。新規受注と雇用ペースが共に減速した。スペインは56.2ポイントで、1.1ポイント低下。イタリアは52.6ポイントと前月から2.4ポイント落ち込んでいる。
IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン首席エコノミストは、これまでの結果から、ユーロ圏の第1四半期(1~3月)の域内総生産(GDP)成長率が0.6%になると予測。0.8~0.9%との従来予想から下方修正した。
■英は2016年7月以降で最低
IHSマークイットによると、3月の英国サービス業PMIは51.7ポイント。2月から2.8ポイント低下し、2016年7月以降で最も低下した。分岐点の50ポイントは20カ月連続で超えた。英国のGDP成長率は第1四半期に0.3%をやや下回ると見込んでいる。
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