金融情報サービス会社IHSマークイットは22日、3月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数、速報値)が55.3ポイントとなったと発表した。前月から1.8ポイント低下し、過去14カ月で最低を記録。景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントを57カ月連続で超えたが、落ち込み幅は市場予想を大きく上回った。
ユーロ圏の製造業PMIは56.6ポイント。2月から3.5ポイント下落し、こちらも過去14カ月で最も低かった。生産高の伸びは2017年1月以降で最も縮小し、新規受注は過去16カ月で最も減速した。
製造業PMIの国別データを見ると、ドイツは58.4ポイントと2.2ポイント低下。2017年7月以降で最も低い水準となった。フランスは2.3ポイント下げ、過去1年で最低の53.6ポイントにとどまった。
ユーロ圏総合指数のうち、雇用ペースは過去6カ月で最も減速したものの、過去17年で最高水準を維持している。生産高の伸びは2017年1月以降で最も縮小し、新規受注は3カ月連続で減速した。仕入れ価格は2カ月連続で低下。出荷価格の上昇ペースは今年に入って最低となったものの、過去7年で最も高い水準で推移している。
■サービス業は独仏共に低下
ユーロ圏のサービス業PMIは55ポイントと、1.2ポイント低下。国別ではドイツが54.2ポイントで、前月を1.1ポイント下回った。フランスは56.8ポイントと0.6ポイント下落している。
IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン首席エコノミストは今回の結果から、「ユーロ圏経済の成長が年末年始にピークに達したことを示唆しており、勢いはやや弱まっている」と分析し、第1四半期(1~3月)の域内総生産(GDP)成長率の予想を従来の前期比0.8~0.9%から0.7~0.8%に下方修正した。だが、これは景気減速を示しているわけでなく、ユーロ圏経済は成長基調を保っていると述べた。
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