仏自動車大手グループPSA(旧プジョー・シトロエン・グループ)は1日、2017年12月期の純利益が19億2,900万ユーロとなり、前期比11.5%増加したと発表した。米ゼネラルモーターズ(GM)から買収した独オペルと英ボクソールが損失を計上したものの、新モデルの販売が好調で、全体の売上高や営業利益(特別損益除く)は過去最高を記録した。
売上高は20.7%増の652億1,000万ユーロ。うちオペル・ボクソールは72億3,800万ユーロで、これを除く主力の自動車部門は9.9%増加した。既に発表済みの世界販売台数は15.4%増の363万2,314台と、買収により大きく底上げされた。
グループの営業利益(特別損益除く)は39億9,100万ユーロと23.4%拡大。自動車部門は33.3%増加した。自動車部品子会社のフォルシア(Faurecia)は20.6%増やし、金融サービス部門も10.7%伸びた。一方、オペルとボクソールは1億7,900万ユーロの赤字となった。
カルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)はオペル・ボクソールについて、経営権の移行期間にマネジメントがルーズになり、業績が振るわなかったと釈明。同部門は生産体制や研究開発(R&D)、調達先などの一本化により2020年までに11億ユーロのコスト削減を図る方針で、経営改革に自信を示している。
オペル・ボクソールを除く自動車部門の営業利益率は7.3%となり、2021年の目標値である6%を上回った。PSAは、来年初めの戦略見直しで目標値を引き上げる可能性を示している。
今年の自動車市場については、欧州が横ばいとなり、中南米は4%、ロシアは10%、中国は2%それぞれ拡大するとみる。売上高については、2018年までに対2015年比で10%増とし、2021年までにさらに15%の上乗せを目指す。[M&A]
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