英石油メジャーのBPは20日に公表した最新の長期エネルギー見通しの中で、世界の原油需要が2030年代後半にピークを迎えるとの予想を示した。電気自動車(EV)の普及が進むとともに、自動運転車を利用したライドシェア(自動車の相乗り)サービスが拡大し、自家用車の所有が減るため。同社は毎年、長期エネルギー見通しを発表しているが、原油需要のピークに言及するのは今回が初めて。
世界の原油消費量は現在、日量約1億バレルだが、BPはこれが2030年後半までに10%拡大した後、伸びが止まるとみる。
BPの主要シナリオによると、世界のEV普及台数は、2040年までに現在の300万台から3億台に増加。EVが車全体に占める比率は、同年には15%に達する。ただ、EVの多くはライドシェア・サービス用の自動運転車が占めるため、自家用車と比べて頻繁に利用される。このため、EVが全乗用車の総移動距離に占める比率は30%に達する。BPは、自動運転車によるライドシェアは運転手のコストを支払う必要がなく、現在のライドシェアと比べて料金が40~50%低下するため、2030年代には利用が飛躍的に伸びると予想している。
ただ、世界では自動車移動への需要が2040年までに倍増する見通しで、その大半は依然としてガソリンやディーゼルを燃料として使用するとみられる。この結果、自動車燃料用の原油需要はピークに達した後も急速に落ち込むことはなく、2040年の需要は日量1,860万バレルと、2016年の日量1,870万バレルとほとんど変わらないと予想している。[環境ニュース]
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