英蘭資本の石油メジャー、ロイヤル・ダッチ・シェルは1日、2017年12月通期の純利益が129億7,700万ドルとなり、前年から3倍弱に増加したと発表した。石油輸出国機構(OPEC)主導の供給制限に伴う原油価格の上昇が追い風となった。
在庫評価変動の影響と特別損益を除いた純利益は157億6,400万ドルと2倍強に拡大。これを事業別に見ると、探査・採掘の上流部門は30億9,100万ドルと、1年前の27億400万ドルの赤字から黒字に復帰。ガス部門と製油や販売を手掛ける下流部門はそれぞれ42.4%、25.4%の増益だった。石油・ガスの生産量は日量277万7,000石油換算バレルと、0.3%減少している。
第4四半期(10~12月)の純利益(在庫評価変動の影響と特別損益除く)は43億300万ドルと1年前から2.5倍弱に増加。米国の税制改革による影響で、20億ドルの評価損を計上したが、損失額は予想レンジの下限にとどまった。シェルは法人税率の引き下げにより長期的には好影響がもたらされるとみている。
シェルは英ガス・石油大手BGグループの買収資金を確保するため、2018年末までに300億ドル相当の資産を売却する計画を進めており、既に約240億ドル分が完了している。
原油相場はOPECが生産抑制の継続方針を示したことで上昇傾向にあり、ブレント原油価格は先に3年ぶりに1バレル当たり70ドルを記録。米国で原油在庫減が続いたことやドル安も追い風となった。ベン・ファンビューデン最高経営責任者(CEO)は「2017年は変革の年だった」とした上で、2018年は力強いリターンとキャッシュを届けられるとコメントした。[M&A]
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