欧州連合(EU)は25日、フランス・スペイン間の電力網相互接続プロジェクトに5億7,800万ユーロの補助を行うことを決めた。EUのエネルギー・インフラへの補助金としては過去最高額となる。ビスケー(Biscay)湾の海底に全長280キロメートルの海底ケーブルを敷設することにより、両国間の相互接続容量を現在の280万キロワットから500万キロワットに拡大する。
EUは加盟各国の電力網の相互接続率を10%以上に高めることを目指しているが、スペインは現在、6%にとどまっている。欧州委のミゲル・アリアス・カニェテ気候行動・エネルギー担当委員は、「ビスケー湾での仏西間の相互接続網の敷設は、イベリア半島の欧州エネルギー市場からの孤立を終わらせる重要な一歩となる」とコメント。「市場が完全に相互接続されて初めて欧州のエネルギー供給の安全保障が改善し、単一供給源への依存が軽減されるとともに、消費者の選択肢を増やすことができる」と話している。
補助金は、EUのインフラ向け基金スキーム「コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(CEF)」から拠出される。EUは今回、CEFから同プロジェクトを含めて計17件のプロジェクトに総額8億7,300万ユーロを提供することを決めている。この中には、ドイツの南北間を地下送電ケーブルでつなぐ「ズードオストリンク(SuedOstLink)」への7,000万ユーロの補助も含まれる。このプロジェクトでは、風力発電施設の多い北部と電力消費量の多い南部を全長580キロメートルの高圧送電ケーブルで接続する。[環境ニュース][EU規制]
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