金融情報サービス会社IHSマークイットは24日、1月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数、速報値)が58.6ポイントとなったと発表した。前月から0.5ポイント上昇し、伸び幅は市場予想を上回った。景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントを55カ月連続で超え、2006年6月以降で最高を記録している。
ユーロ圏の製造業PMIは59.6ポイント。2017年12月から1ポイント下落し、過去3カ月で最低を記録した。生産高が大きく伸びた一方、新規受注はやや減速した。雇用は引き続き拡大傾向を維持している。
製造業PMIの国別データを見ると、ドイツは61.2ポイントと2.1ポイント低下。1996年4月の統計開始以来で最高に達した前月から減速したものの、依然として高水準で推移している。フランスは58.1ポイントと0.7ポイント下げた。
ユーロ圏総合指数のうち、雇用ペースは2000年9月以降で最も加速。生産高の伸びは2006年6月以降で最大を記録し、新規受注も引き続き拡大した。仕入れ価格は過去7年弱で、出荷価格は2011年4月以降でそれぞれ最も上昇している。
■サービス業は独が好調
ユーロ圏のサービス業PMIは57.6ポイントと、1ポイント上昇。国別では、ドイツが57ポイントと昨年12月を1.2ポイント上回り、過去7年弱で最高を記録した。フランスは59.3ポイントと前月から0.2ポイント上昇している。
IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン首席エコノミストは今回の結果から、「2018年のユーロ圏経済は好調なスタートを切った」と述べ、第1四半期(1~3月)の域内総生産(GDP)成長率が前期比1%近くになるとの見通しを示した。また、労働市場の改善が消費者支出を拡大させ、賃金上昇だけではなくユーロ圏経済を押し上げると予想している。
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