金融情報サービス会社IHSマークイットは2日、2017年12月のユーロ圏製造業PMI(購買担当者景気指数、確定値)が60.6ポイントになったと発表した。速報値から変化がなく、前月から0.5ポイント上昇。1997年半ばの統計開始以降で最高を記録した。景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントを54カ月連続で超えている。
調査対象の8カ国のうち、アイルランドは59.1ポイント、オーストリアは64.3ポイントと共に過去最高を記録。ギリシャは53.1ポイントで引き続き分岐点を上回り、過去9年半で最も高い。一方、イタリアは57.4ポイントと過去3カ月で最低に減速。オランダは62.2ポイント、スペインは55.8ポイントにそれぞれ低下した。
ユーロ圏経済をけん引するドイツは63.3ポイント。速報値から変化がなく、1996年4月の統計開始以来で最高に達した。生産高は過去7年近くで最も加速し、新規受注は輸出向けが過去最高レベルだった。雇用は2010年3月以来の高水準に達した11月からやや減速している。
フランスは58.8ポイントで、速報値から0.5ポイント下方修正された。11月からは1.1ポイント上昇し、2000年9月以降で最高を記録。生産高は2010年後半以来の伸びを示し、新規受注は2010年11月以降で最も拡大した。雇用ペースは過去17年余りで最も加速している。
ユーロ圏製造業PMIのサブ指数を見ると、新規受注と生産高の伸びが2000年4月以降で最高を記録。雇用はフランス、オランダ、オーストリア、アイルランドで加速した。仕入れ価格と出荷価格は共に引き続き上昇したものの、ペースは11月からやや減速した。
IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン首席エコノミストは「統計開始以降で最高の年を締めくくり、2018年の力強いスタートへのお膳立てをした」とコメント。2017年のPMI平均値はドイツ、オーストリア、オランダ、アイルランドで過去最高となり、イタリアとフランスは2000年、スペインは2006年、ギリシャは2008年以来の高水準に達したと指摘している。
■英国は減速も高水準
IHSマークイットによると、12月の英国の製造業PMIは56.3ポイント。過去51カ月で最高を記録した11月から1.9ポイント低下した。しかし分岐点の50ポイントは17カ月連続で超えており、第4四半期(10~12月)の平均値(57ポイント)は2014年第2四半期以降で最も高い。
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