欧州司法裁判所は20日、米配車サービス大手ウーバー(Uber)を、営業免許が必要な運輸会社と見なす判断を下した。今回の決定はウーバーのみならず、配車アプリを通じて欧州で事業展開する競合にとっても重要な判例となる見通しだ。
欧州司法裁は判決文の中で、「ウーバーによって提供されている個人と本職でないドライバーを結び付けるサービスは、輸送分野のサービスに含まれる」と指摘。欧州連合(EU)加盟国は、サービス提供の条件を規制できるとの認識を示した。
ウーバーを巡っては、タクシー免許を持たないドライバーを使って不当な競争を展開しているとして、スペイン・バルセロナのタクシー運転手団体が提訴。同社はかねて自社のサービスについて、車両を探す利用者とドライバーの間にある仲介者として位置付けられるアプリだとして、オンラインサービス向けのEU規制が適用されると主張していた。
しかし、欧州司法裁はこの主張に対しても、「ウーバーはドライバーが提供するサービスに対して決定的な影響力を行使している」と断定。ウーバーのアプリなしでは「都市部で移動したい人々がこうしたドライバーによって提供されるサービスを利用することはない」との見解を示した。
ウーバーは欧州各国で既に、現地の法律に則った営業体制に移行しているほか、低料金プラン「ポップ」などの商業免許を持たない運転手によるサービスも廃止している。このため、今回の判決が欧州での事業に直ちに影響を与えることはないとみられている。[EU規制]
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