欧州議会は13日採択した決議文で、15日に開かれる欧州連合(EU)首脳会議(サミット)で英国のEU離脱後の通商関係に関する第2段階の協議の開始を認めるようEU加盟各国に促した。EUと英国が8日にまとめた合意文書を検討した結果、英国のEU離脱条件を巡る第1段階の協議で十分な進展があったと判断したため。一方、英下院(定数650)はこの夜、EU離脱法案を巡る審議で、EU側との最終合意について議会承認を義務付ける修正案を可決。一時的に広がった楽観的な雰囲気に水を差す格好となった。
欧州議会はこの日、556対62の圧倒的賛成多数でこの決議文を採択した。これに法的拘束力はないが、英国との最終的な交渉結果は欧州議会の承認を得る必要がある。
欧州議会はこの決議文で、離脱条件に関する合意文書を歓迎すると宣言。ただ、第2段階の交渉を進めるには、英国がこの合意文書での約束を尊重する必要があると指摘した。英国のデービスEU離脱相が同合意文書を単なる「意思表明」と説明していることに対し、くぎを刺した格好だ。
投票前の議論には欧州委員会のミシェル・バルニエ首席交渉官も出席。「合意文書からの後戻りは認めない」とした上で、アイルランドの国境問題と英国のEU拠出金の清算、在英EU市民および在EU英国民の権利の主要3項目について、合意内容を早急に法的拘束力のある協定に移し替える方針を示した。[EU規制]
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