金融情報サービス会社IHSマークイットは1日、11月のユーロ圏製造業PMI(購買担当者景気指数、確定値)が60.1ポイントになったと発表した。速報値から0.1ポイント上方修正され、前月から1.6ポイント上昇。2000年4月以降で最高を記録した。景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントを53カ月連続で超えている。
調査対象の8カ国のうち、オランダは62.4ポイント、オーストリアは61.9ポイントと共に過去最高を記録。アイルランドは58.1ポイントと過去18年で最も伸び、スペインは56.1ポイントと過去11年弱で最も高い。イタリアは58.3ポイントと過去81カ月で最高に達した。ギリシャは52.2ポイントで、引き続き分岐点を上回っている。
ユーロ圏経済をけん引するドイツは62.5ポイント。速報値から変化がなく、1996年4月の統計開始以来、2番目の水準だった。生産高は2011年4月以降で最も加速し、新規受注は輸出向けを含めて2010年3月以降で最高に達した。雇用も2010年3月以来の高水準に達している。
フランスは57.7ポイントで、速報値から0.2ポイント上方修正された。こちらは10月から1.6ポイント上昇し、過去17年で最高を記録。生産高は2011年4月以降で最も伸び、新規受注も14カ月連続で拡大した。雇用は13カ月連続で増えている。
ユーロ圏製造業PMIのサブ指数を見ると、輸出向け受注の伸びが1997年6月の統計開始以降で最高を記録。これが新規受注全体や生産高の拡大につながった。雇用も過去最高に達している。仕入れ価格は過去6年半で最も上昇し、出荷価格は2011年6月以降で最も加速した。
IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン首席エコノミストは「17年以上前のドットコムバブル真っ盛りのころ以来、最高の結果となった」と歓迎。企業は明らかに急拡大しているとし、「雇用の伸びが過去最高を記録した上、設備投資も急速な上昇基調にあることから、製造業者は2018年に入ってからもこれが続くことを期待している」と分析している。
■英国は過去4年超で最高
IHSマークイットによると、11月の英国の製造業PMIは58.2ポイントとなった。10月(改定値)から1.6ポイント上昇し、2013年8月以降で最高を記録した。景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントを16カ月連続で超えており、製造業生産の伸びは四半期ベースで2%に近づいているという。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。