欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは14日、ユーロ圏19カ国の2017年第3四半期(7~9月)の実質域内総生産(GDP、2次速報値)が前期比0.6%増加したと発表した。1次速報値から変化がなく、伸びは第2四半期の0.7%からわずかに減速。一方、圏内最大の経済規模を誇るドイツは成長が予想以上に加速している。
国別の成長率を見ると、ドイツは0.8%と第2四半期の0.6%を上回った。家計最終消費支出と政府最終消費支出は安定的に推移しており、投資を示す総固定資本形成は、とりわけ機械・機器の分野で拡大した。貿易は輸出の伸びが輸入を上回り、輸出から輸入を差し引いた純輸出がGDPを押し上げている。
フランスの成長率は0.5%、スペインは0.8%と、共に前期から0.1ポイント縮小。オランダは0.4%で、第2四半期の1.5%から大きく減速した。一方、イタリアは0.5%に加速。ユーロ圏外では英国が0.4%と、前期の0.3%からわずかに加速している。
ユーロ圏のGDPは、前年同期比では2.5%拡大。1次速報値から変化がなかった。EU28カ国全体ではこちらも前期比で0.6%、年率では2.5%それぞれ伸びた。
欧州委員会は先に発表した秋季経済見通しの中で、今年のユーロ圏19カ国のGDP成長率が2.2%になると予想。個人消費の底堅さや世界経済の回復、失業率の低下を背景に、5月時点の予測から大きく0.5ポイント上方修正した。来年については、0.3ポイント引き上げ2.1%とした。また、国際通貨基金(IMF)は10月、ユーロ圏のGDPについて今年は2.1%、来年は1.9%拡大するとの見方を示した。
ユーロ圏の第3四半期GDPの改定値は12月7日に発表される予定。
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