金融情報サービス会社IHSマークイットは24日、10月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数、速報値)が55.9ポイントとなったと発表した。9月から0.8ポイント低下し、下落幅は市場予想を上回った。景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントは52カ月連続で超え、高水準を維持している。
ユーロ圏の製造業PMIは58.6ポイント。前月から0.5ポイント上昇し、過去80カ月で最高を記録した。生産高が減速した一方で新規受注が加速し、雇用は記録的な伸びを示した。
製造業PMIの国別データを見ると、ドイツは60.5ポイントと0.1ポイント低下。フランスは56.7ポイントと0.6ポイント上昇し、過去78カ月で最高を記録している。
ユーロ圏総合指数のうち、雇用の伸びは過去10年余りで最高を記録。生産高はやや減速しながらも力強く伸び、新規受注は9月並みに拡大した。仕入れ価格の伸びは加速し、出荷価格は過去76カ月で最も上昇している。
■サービス業は仏が好調
ユーロ圏のサービス業PMIは54.9ポイントと、9月から0.9ポイント低下。国別では、ドイツが55.2ポイントと前月を0.4ポイント下回った。フランスは0.4ポイント伸びて57.4ポイントと、過去7カ月で最も高い。
IHSマークイットのアソシエートディレクター、アンドリュー・ハーカー氏は、ユーロ圏経済は年初から第4四半期(10~12月)初めまで好調を維持していると指摘。第3四半期の域内総生産(GDP)成長率予測を前期比0.7%とし、第4四半期も0.6~0.7%になると分析した。欧州中央銀行(ECB)は次回の政策理事会で、量的緩和策を2018年から一部縮小する決定を下すとの見方が広がっているが、PMIの結果を見る限り正当化されるとしている。
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