フランス政府は27日、来年の予算案の概要を公表し、再生可能エネルギーに対する支援を強化するため炭素税を引き上げる計画を明らかにした。ただし、エネルギー企業や二酸化炭素(CO2)の大口排出企業のように、欧州連合(EU)のCO2排出権取引制度(EU―ETS)の対象企業や、国際的競争にさらされている企業は引き続き免除されるほか、トラック運送会社、タクシー会社なども課税の対象とならない。ロイター通信が伝えた。
炭素税は現行ではCO2排出1トン当たり30.5ユーロで、来年にはこれが44.6ユーロに変更される。その後も2019年から2022年まで55ユーロ、65.4ユーロ、75.8ユーロ、86.2ユーロと段階的に引き上げられる。2015年に制定されたエネルギー転換法では、炭素税を2018年から2020年に毎年39ユーロ、47.5ユーロ、56ユーロに引き上げ、2030年には100ユーロとすることを定めていたが、今回は2030年の目標水準を示していない。
炭素税の増税により、ガソリンの価格は来年に1リットル当たり3.9セントの値上げとなるほか、ディーゼル燃料に対する課税も引き上げられるためディーゼルの価格は7.6セント値上がりする。こうした増税により、政府は37億ユーロの増収を見込む。
一方で、再生可能エネルギーの開発プロジェクトに向こう3年間で総額182億ユーロを投じる。2018年は55億ユーロで、2019年と2020年はそれぞれ62億ユーロ、65億ユーロを予定する。また、フランス電力公社(EDF)に対しては、再生可能エネルギー事業者を支援する目的で、同社が市場の電力価格を上回る価格での電力買い取りを迫られた結果、抱えた負債を巡り、来年だけで16億ユーロ、2020年までに残りの46億ユーロを払い戻すという。[EU規制][環境ニュース]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。