仏石油メジャーのトタルは19日、再生可能エネルギーの仏エレン(EREN)・リニューアブル・エナジーの株式23%を2億3,750万ユーロで取得することで合意したと発表した。再生可能エネルギー事業を拡大する戦略の一環。同社は併せて、エネルギー効率化サービスを手掛ける仏グリーンフレックス(GreenFlex)を買収する計画も明らかにしている。
トタルは、5年後にエレンの経営権を取得するオプションも得た。エレンは2012年に設立され、風力、太陽光、水力発電を手掛ける。設置容量は建設中の施設も含め世界で65万キロワットに上り、5年以内にこれを300万キロワットに拡大する目標を掲げる。
トタルのガス・再生可能エネルギー・電力取引部門を率いるフィリップ・ソーケ氏は、「エレンの推進力は当社の太陽光発電事業の拡大を促すと共に、風力発電市場への参入を可能にする」とコメント。「当社への出資は、5年以内に再生可能エネルギーの設置容量を500万キロワットに拡大するという当社の目標実現に向けた大きな一歩となる」と話す。
トタルは原油価格の下落を背景に事業の多角化を目指しており、向こう20年以内に再生可能エネルギーと電力取引の主要企業となる目標を掲げている。
■エネルギー効率化にも注力
トタルはこの日、グリーンフレックスを買収すると発表した。取引額は明らかにされていない。取引は当局の承認を経て、年内の完了を見込む。
グリーンフレックスは2009年の創業。欧州で600社以上の顧客を抱え、2016年の売上高は2億3,000万ユーロだった。2017年は3億5,000万ユーロ超を見込んでいる。ソーケ氏は「グリーンフレックスを、トタルの欧州エネルギー効率化産業における成長の要としたい」と話している。[環境ニュース][M&A]
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