仏高級ブランドグループのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンとケリング(Kering、旧PPR)は6日、やせ過ぎのモデルの起用中止を含む、モデルの労働条件や健康状態の改善に向けた憲章を発表した。「ルイヴィトン」や「クリスチャン・ディオール」、「グッチ」、「イヴ・サンローラン」など、傘下の全ブランドで適用する。
両グループは、フランスの婦人服サイズで32(日本ではXS未満)、紳士服サイズで42(日本ではXS~S)のモデルの採用を見合わせる。また、大人用の服のモデルとして16歳未満を起用することも禁止する。
BBC電子版によると、今回の動きの背景には、激やせモデルが摂食障害の引き金になるとの批判がある。ブランドの衣服はやせて背の高いモデルにより似合うとされるが、これにより、一部の消費者の間で、非健康的で非現実的な体型が理想化されていると指摘されている。摂食障害者を支援するチャリティー団体ビート(Beat)は「より健全な体型が理想的だとする見方を促進する必要がある」と話している。
なお、同憲章にはこのほか、◇写真撮影やファッションショーの日付から6カ月未満に取得した健康診断書の提出を義務付けること、◇勤務時間内は心理療法士を待機させること、◇16~18歳のモデルには保護者を同伴させ、深夜勤務を禁止すること、◇モデルの苦情を受け付ける窓口を作ること――などが含まれている。ケリングのピノー会長兼最高経営責任者(CEO)は「今回の取り組みが業界全体に浸透し、ファッションモデルの労務環境が大きく変わることを願う」と話している。[労務]
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