ドイツ西部アーヘン(Aachen)の市当局は、ベルギー東部のティハンジュ(Tihange)原発の事故に備え、安定ヨウ素剤の無料配布を開始した。ドイチェ・ウェレなどが伝えた。
同原発の一部は運転開始から40年以上が経過するなど老朽化が進み、最も古い原子炉は2年前に操業を停止する予定だった。しかし相次ぐ水漏れや新たな亀裂の発見に伴う一時閉鎖を繰り返しつつも稼働を継続。同原発から70キロメートルしか離れていないアーヘンでは、多くの住民がかねて安全性への懸念を訴えていた。
このため同市当局は、周辺地域を含む約50万人の住民を対象に予防的な措置に着手。市のウェブサイトで引換券を申し込めば、薬局で錠剤を受け取れるようにした。
こうした薬品は通常、1カ所にまとめて備蓄され、非常時にだけ配られる。だが市当局は、実際に事故が起きれば対応が間に合わないとして、事前配布を決めたとしている。[環境ニュース]
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