欧州委員会は8月31日、ポーランドの司法改革が欧州連合(EU)の法の支配の原則に反する恐れがあるとされる問題を巡り、同国政府の是正案を不十分として退けた。
欧州委のティメルマンス第1副委員長は、ポーランドが「重大な懸念」を解消するための具体的な措置を何ら示していないと批判。同委と他の全加盟国に新たな対応を求める考えだ。
欧州統合に懐疑的なポーランドの与党・法と正義(PiS)は2015年10月の総選挙で政権を奪還して以来、欧州委や多くの加盟国と対立。これまでに議会で承認された4法案が司法の独立に深刻な悪影響を及ぼすと批判されている。ドゥダ大統領はこのうち2法案に拒否権を発動したが、残りの2法案については署名済みだ。
欧州委が特に問題視するのは、裁判官の任命機関の管轄権を国会に付与し、最高裁判事を解任できるようにする案。実際に判事が罷免されるようなら、EUのリスボン条約第7条に基づきポーランドの議決権の剥奪も辞さないとしている。[EU規制]
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