８月は過去６年超で最高　ユーロ圏製造業ＰＭＩ確定値

金融情報サービス会社ＩＨＳマークイットは１日、８月のユーロ圏製造業ＰＭＩ（購買担当者景気指数、確定値）が57.4ポイントになったと発表した。速報値から変化がなく、前月から0.8ポイント上昇。過去６年超で最高を記録した６月の水準に並んだ。景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントを50カ月連続で超えている。

調査対象の８カ国のうち、オーストリアは61.1ポイント、イタリアは56.3ポイント、オランダは59.7ポイントと、いずれも過去78カ月で最高を記録。ギリシャは52.2ポイントで、過去９年で最高の水準に躍進した。アイルランドは56.1ポイントと過去25カ月で最も高かったが、スペインは52.4ポイントと過去11カ月で最低に沈んだ。

ユーロ圏経済をけん引するドイツは59.3ポイント。速報値から0.1ポイント下方修正されたものの、前月から1.2ポイント上昇した。新規受注は33カ月連続で伸び、輸出向け受注は2010年５月以降で最も加速。特にアジアからの需要が目立った。生産高と雇用も引き続き大きく拡大している。

フランスは速報値と同じく55.8ポイントで、７月を0.9ポイント上回り、2011年４月以降で最高に達した。新規受注は過去６年半で最も加速し、輸出向け受注と生産高の伸びは共に2011年４月以来の高水準だった。雇用ペースは過去17年近くで最高を記録した前月からやや減速した。

ユーロ圏製造業ＰＭＩのサブ指数を見ると、生産高と新規受注の伸びはいずれも2011年４月初め以降で最も大きい部類に入る。雇用は全対象国で拡大。仕入れ価格の上昇ペースが過去半年で初めて加速に転じ、出荷価格の伸びも７月を上回った。

ＩＨＳマークイットのクリス・ウィリアムソン首席エコノミストは今回の結果から、製造業生産が年率で４％程度増加するとの予想を維持。その一方で、単一通貨ユーロの相場上昇を背景に、輸出の伸びが減速する可能性があると指摘した。

■英国は過去４カ月で最高

ＩＨＳマークイットによると、８月の英国の製造業ＰＭＩは過去４カ月で最高となる56.9ポイント。国内外で受注が拡大し、７月から大きく1.6ポイント上昇した。分岐点の50ポイントを13カ月連続で超え、市場予想も上回っている。